威風堂々 合奏

用意するもの  ・教科書

        ・楽譜3枚(①ソプラノ・アルトパート ②テナー・バスパート ③打楽器)

        ・歌詞プリント2枚(①平原綾香「威風堂々」 ②SEAMO「Continue」)

        ・DVD「ファンタジア」(威風堂々)

        ・CD2枚(①平原綾香「威風堂々」 ②SEAMO「Continue」)

 

学習活動    ・曲を聴く。

        ・覚える。

        ・「威風堂々」を使った楽曲を楽しむ。

        ・音を重ねる。

        ・打楽器パートを入れ、五層の音の重なりにする。

 

ウキウキポイント ♡曲の壮大な感じ、力強い感じを味わう。

         ♡自分の音が、他の音と重なり、響きあう心地よさを感じる。

         ♡一つ一つ積み上げて、大きなものを作り上げる喜びを味わう。

         ♡曲後半のグワーッとパワーが湧いてくるくる感じを楽しむ。

 


威風堂々 1回目

先生「『威風堂々第一番』を聞きます。
   『堂々』という言葉は知っているね。『威風』はどんな意味か分かるかな?」

児童「?」
先生「勢いがさかんで、立派という意味です。『堂々』にも同じように、

   すぐれて立派にみえる様子という意 味がありますね。


  『一番』ということは・・・」
児童「二番がある」
先生「その通り。何番まであるかというと、」
児童「五番まである。」
先生「よく知ってる。あっ、教科書に書いてあるね。
   今日は、曲の前半部分を聞いてみよう。みんなの知っているメロディーが流れてきます。」


 (CDをかける。有名なメロディーが一回目に出てきた前半まで。)

 

先生「最初の部分、勢いがあったねー!ダンダンタラティラタラィラ、かっこいいね。
   次に、みんなのよく知っているメロディーが出てきました。」
児童「知ってる。」「CMで流れてる。」「聞いたことがある。」
先生「このメロディーをリコーダーで吹いてみよう。
   『ファのシャープ』、『高いファ』が出てきます。おぼえているかな。」


 (リコーダーの難しい運指を確かめた後、教科書、またはプリントを見ながらリコーダーを吹く。)

 

先生「難しい指使いのところだけ、繰り返して吹いてみよう。

   今日は、『ファのシャープ』ができるように繰り返すよ。」


 (♪ミーファソーラ*ファはシャープ だけ取り出して練習する。)

 

先生「では、最初から全部通して吹こう。」
児童 リコーダーを吹く。

 

先生「『威風堂々』の一番、二番、三番、四番のメロディーが出てくるアニメーションを

   みんなで見よう。     

   ディズニーのファンタジアから『威風堂々』。ひとつのお話に、曲が付いています。」
児童 DVDを見る。


先生「みんなで吹いた、このメロディーは堂々していて、さらに力がみなぎっていく感じ、

   パワーが増していく感じがするね。


   このメロディーは、多くの人が大好きで、イギリスでは第二の国歌と言われています。

   アメリカでも日本でも、卒業式のとき、この音楽で入場したり、退場したりします。


   日本では、CMで使われたり、このメロディーを自分流にアレンジして使ったミュージシャンが

   います。
   次回、平原綾香さんの歌を聞いてみよう。


   では、今日の最後は、ひとりずつ、♪ミーファソーラ*ファはシャープ♪を

   先生に聞かせて帰ろう。」

 

   準備のできた児童から、「ミーファソーラ*ファはシャープ」を先生に聞かせて帰る。

 

 

   この曲を、この後合奏にしていきます。

 

  児童全員に、技術的なことで身に付けてほしいことは、必ずひとりひとりチェックします。

 すぐにできそうな予感がするくらいの、短いフレーズで、全員を五分以内で、聞けるようにすると、

 児童の待つ負担も、先生の聞く負担も少なく、効率的に技術が身に付きます。

 


威風堂々  2回目

先生「今日は、平原綾香さんの歌っている『威風堂々』を聞こう。」
児童 プリントで歌詞を追いながら聞く。


先生「歌えそうなところは、どこかな?」
児童「♪つないだ手をはなしても 心はきっと つながっているから」
先生「では、そこのところだけ取り出して歌ってみよう。」
児童 伴奏なしで、先生と一緒に歌う。

 

先生「『威風堂々』にすてきな歌詞がついているね。次のとき、また、歌えるところを増やしていこう。
   この前、みんなで『威風堂々』をリコーダーで吹いたね。今日も、やってみよう。」
児童 リコーダーを先生の伴奏に合わせて吹く。


先生「ファのシャープの指使いが上手になっているね。
   今日は、高いファのサミングを練習しよう。これは、裏の穴の押さえ方がポイントだったね。
   シャープペンシルの芯、二本分の穴を開けるんだったね。やってみよう。」
児童 ♪ファーファミレミーーを吹く。


先生「息のスピードを少し上げてみよう。」
児童 ♪ファーファミレミーーを吹く。


先生「いいね、音が澄んできた。最後のミーーをたっぷり、音が広がる感じで吹いてみよう。」
児童 ♪ファーファミレミーを吹く。
先生「うまい!後で、一人ずつ聞かせてください。


   今日は、アルトのパートをやってみよう。」
児童 アルトパートを吹く。
先生「クラスで二つに分かれて吹いてみよう。希望を聞くよ。」

先生「音が二つ、きれいに重なったね。


   上のソプラノパートをリコーダー、アコーディオン、鉄琴、グロッケンで。

 

   アルトパートはリコーダー、アコーディオンで。どの楽器がやりたいか、希望を考えて。」

 

 この後、児童の希望を取って、楽器分担をする。練習時間を数分取った後、みんなで合奏する。

 

 初めてなので、できそうなところだけ参加するだけでいいこととする。足りない音はピアノでカバーする。

 

 何回か合わせたら、よくできているところだけ4~8小節くらい取り出して、ピアノの伴奏なしで、

二つの音の重なりをみんなで聞きながら演奏する。

 

 今日も、最後は一人ずつ「♪ファーファミレミー」を先生に聞かせて帰る。


威風堂々  3回目

先生「今日は、初めにSEAMOさんの『Continue』を聞こう。聞いているとラップの裏側で、

  ずっと『威風堂々』のメロディーが流れています。」
児童 歌詞のプリントを見ながらCDを聞く。


先生「『威風堂々』のメロディー聞こえてきた?」
児童「聞こえた!」
先生「この『Continue』という曲名は、どんな意味だと思う?」
児童「夢?」「魔法?」「可能性?」
先生「残念!続けるという意味です。「どんな夢でもかなえる魔法 それは続けること

   苦しみ 悲しみ その先見える光 自分の道 ずっとずっとコンティニュー」

   ここに書いてありました。

 

 この前少し歌った、平原綾香さんの『威風堂々』を歌おう。」
児童 この前のつづき、「果てない空へ 夢をのせて 僕らは歌うよ 苦しいときも 

   つないだ手をかなしても 心はきっとつながっているから 涙をふいて歩き出すよ」を伴奏なしで、

   先生の歌のリードで歌う。

 

先生「リコーダーで『威風堂々』を吹きます。」
児童 リコーダーを演奏する。

先生「今日は、あと二つ、音を増やして合奏します。全部で、四つの音が重なるよ。

 見本の演奏(PCで作った見本の演奏)をみんなで聞く。

 *パートごとに聞くことも、重ねて聞くこともできる。

 

 自分の希望する楽器の楽譜を見ながら聞くよう声をかける。

 

先生「楽器の希望を、黒板に書きます。希望の楽器のところに行って、ジャンケンして決めよう。」
   楽器名、担当人数を板書する。
児童 自分の希望の楽器のところに行き、ジャンケンする。練習する。


先生「では、みんなで合わせます! 今日も、できそうなところだけ参加して、

   できないところは周りの音を 聞こう。」
児童 合奏する。先生は、足りない音をピアノでカバーする。


先生「四つの音がきれいに重なったところがありました!とってもきれい。その場所だけやってみよう。」
児童 指定されたところを演奏する。

 

先生「Aのところだけ、二つのパートで演奏しよう。他の二つのパートは、音の重なりを聞こう。」
児童 演奏する人と聞く人に分かれる。

 

 

 児童にいろいろな楽器を体験してほしいので、前回決めた楽器を演奏させるのではなく、

今日も児童の希望を聞いて決める。前回は、先生が担当人数と希望者数を把握しながら楽器を決めたが、

今回は、児童が自分たちで決めるように変えた。

 

 楽譜を見て、同じ音の動きが、二回繰り返されることに気づかせ、効率よく練習するように指導する。

 

 今日の学習で、
♡四つの音の重なりの中で、自分の音が響き合っていることに気付くといいな。
♡二つの音の重なりが美しいことに気付くといいな。


威風堂々  4回目

先生「今日は、『威風堂々』の後半を聞いてみよう。
   みんなが歌ったり、リコーダーで演奏しているメロディーが出てくるところ、よく聞こう。
   音がきれいに重ねっていくよ。」
児童 威風堂々第一番の後半を聞く。

 

先生「どんなことに気が付いた?」
児童「メロディーを繰り返すとき、楽器が増えた。」

  「だんだん盛り上がった。」

  「音の厚さがあった。」

  「打楽器の音が聞こえた。」

  「大きな響きになっていった。」

  「ぐ~んと力が湧いていく感じがした。」

  「強い感じがした。」
先生「よく聞けたね。みんなが気づいたことは、全部、この曲の良さや人気の理由につながっているね。

 

   今日も音を重ねて合奏をします。
   打楽器も加えます。
   大太鼓、シンバル(ライドシンバル、クラッシュシンバル)、ドラムを入れるよ。」

先生「シンバルは、この吊り下げたものを使います。

   バチで一回打つやり方と、バチを細かく動かして打つトレモロというやり方、両方使います。

   今日は、Cの部分だけ。やってみるから、よく聞いて。」
先生、見本を聞かせる。


先生「みんなも、エアシンバルしよう。」
児童 先生の演奏に合わせて、シンバルを演奏するマネ(エアシンバル)をする。

 

先生「どの楽器をやってみたいか考えよう。」


 楽器名、楽器担当人数を板書する。

(リコーダー、鉄琴、グロッケン、ソプラノアコーディオン、アルトアコーディオン、

 テナーアコーディオン、バスアコーディオン、バスマスター、

 大太鼓、ドラム、シンバル)


先生「自分がやりたい楽器のところに行って、ジャンケンしよう。

   負けたら、空いている楽器を探して練習しよう。今日は、Cだけ合奏します。」

児童 楽器をジャンケンで決めてから、Cだけ練習する。みんなで合奏する。

 

 

 みんなで合わせた後は、下からじっくり音を重ねていきたい。


 まず、ピアノと打楽器だけでCを演奏。

 

次に、ピアノ・打楽器と低音(バス、テナー)で演奏。


次に、ピアノ・打楽器・低音(バス、テナー)とアルトで演奏。


最後にソプラノパートを加えて演奏。


 こうすると、不思議なことに、

「土台→柱→壁→屋根」のような音の構造が見えてきて、児童が音の重なりを理解でき、

自分のパートの役割も分かるようになります。

 

 この後、数回自由に楽器を経験させたら、楽器分担を固定化してもいいかな。