われは海の子

先生「今日、学習する歌は、『われは海の子』です。


  『われは海の子』って、他の言葉で言うと・・・」


児童「海のそばで、育った子ども。」「海が好きな子ども」「海と仲良しな子ども」
  「海の恵みで育った子ども」「海でよく遊んだ子ども」「海を見ながら生きてきた子ども」
先生「なるほど・・・いろんな言い換え方があるね。


   どんな気持ちがあって、どんな思いを伝えたくて『われは海の子』って、

   曲の名前つけたんでしょうか。 学習しながら、考えていこう。
   CDでこの歌を聞いてみよう。」


(CDで『われは海の子』を聞く。)

 

先生「難しい言葉がたくさん出てきたね。みんなで意味を確かめながら読んでいこう。」


(縦書きの詩を音読する→言葉の意味を教える→もう一度、音読する 1,2,3番ごとに行う。)

 

先生「教科書の写真をよく見てね。
   この写真から見て分かることは?」


児童「松の木がある。」「波が寄せている。」「大きな岩がある。」「遠くに木がたくさんある。」


先生「では、この写真の中で、耳に聞こえてくる音はどんな音だと思う?」


児童「波の音。」「風が木を揺らす音。」「波が岩にぶつかる音。」

 

先生「次は、この写真の中で、どんな匂いがすると思う?」


児童「海の匂い。」「潮の香り。」「日向の匂い。」

 

先生「みんな、すごいね。この写真は目に見えるものしか、写していないのに、

   みんなは音も匂いも感じたんだね。


   これから、先生が『われは海の子』の歌詞を読みます。

   歌詞から、『あっ、これは耳を使って感じるところだな』と思ったら、手を挙げてね。」

 

  (先生は、歌詞を読んでいく。児童は、耳を使って感じることだと思ったところで、

   手を挙げる。止まらずに最後までいく。)

 

先生「いいね。みんなよく反応しているよ。


   次は、『匂いを感じるところ』だなと思ったら、手を挙げてね。」

 

  (先生は、歌詞を読んでいく。児童は、鼻を使って感じることだと思ったところで、

   手を挙げる。止まらずに最後までいく。)

 

先生「すばらしい!よくできました。(子どもが反応しないところがあったら、教師が教える。)


   この歌は、海の近くに育った子どもが、

   毎日、見て、聴いて、嗅いで感じてきた海と自分のことを歌っているね。


   自分も海の近くにいると想像しながら、もう一度、歌を聞いておぼえよう。」


  (CDをかける。)


児童 覚えて歌う。

 

 

 

 初めて、外国に行って驚いたことは、街の匂いが違うことでした。いつも、当たり前だと思って気にしたこともなかった街の匂い・・・また、吸う空気の湿り気が全く違いました。


 街を出て、見る風景の中にある木々も、自分の国とは全く違い、改めて「自分の住んできた場所」について思いを巡らしました。

 
 小学生のとき、自分の育った場所を他のどことも違う特別な場所と思える子どもは少ないと思います。私のように、大人になって生まれ育ったところから出て、別の場所に行ったときに「ああ、自分が過ごしてきた場所は○○な場所だったんだ。」と考えるのでは・・・なので、この歌はちょっぴり大人の香りがします。


 小学生で『われは海の子』を歌うとき、「海への思いがあふれた歌」「海とともに生きることの誇りが感じられる歌」という想いに向かう途中で、歌詞を視覚、聴覚、嗅覚で感じて楽しむ時間を少し作ってみました。(この歌詞の三分の二近くが、音や香りに関する言葉になっています。)