テキーラ 


用意するもの  ・黒板用リズム楽譜2枚

        ・黒板用メロディー楽譜3枚

        ・合奏楽譜冊子

        ・リズムボックス(キーボードやエレクトーンに付いている機能)

        ・木琴・リコーダー・アコーディオン・鍵盤ハーモニカ・鉄琴

         サウドシエイプ・コンガ・ボンゴ・ジャンベ

 

学習活動    ・リズムを手拍子でとる。

        ・メロディーをいろいろな楽器で演奏する。

        ・リズムをいろいろな打楽器で演奏する。

        ・新しい楽器の奏法を知る。

        ・合奏する。

 

ウキウキポイント ♡メロディーにのってグルービー(曲の流れにのって、ノリノリに)に演奏する。

         ♡音の重なりが楽しい。

         ♡簡単なリズム・メロディーなのに、繰り返していると、とても盛り上がる。


テキーラ   1回目

先生「タン、タン、タン、う、タン、タン、タ、タタ、タン。

   言ってみよう。」(「う」は八分休符。)
児童「タン、タン、タン、う、タン、タン、タ、タタ、タン。」


   板書してあるリズムを先生が手で追うのを見ながら練習する。
児童「タン、タン、タン、う、タン、タン、タ、タタ、タン。」


先生「手拍子で。」
児童 手拍子でタン、タン、タン、う、タン、タン、タ、タタ、タン。

 

先生「リズムボックスのリズムに合わせながら、手拍子しよう。」
児童 リズムボックスの音を聞きながら、手拍子を繰り返す。


先生 うタンタンタの部分がうまくできないときは、テンポを少し落として手拍子して、

   正しくリズムを刻めるようにする。


   先生がこのリズムに体を動かし、手拍子する。大きな、このリズムの流れを体で表す。

 

先生「このリズムに音をつけてみよう。


   この曲名は『テキーラ』です。前奏の部分をみんなでやってみるよ。
   ソソファうソソソファファファ。リコーダーで吹いてみよう。」
児童 リコーダーで繰り返して吹く。


先生「5回繰り返したら、ソソファファソ!!を付けます。」
児童 5回ソソファうソソソファファファを吹いて、最後にソソファファソ!!を付ける。

先生「いいね、できた! では、これを木琴でもやってみよう。」
   楽譜を配る。

ダウンロード
テキーラ 木琴パート楽譜
合奏の木琴パート 前半部分
IMG_20160310_0001.pdf
PDFファイル 788.3 KB

 一台の木琴に、3人ずつ入る。3人で、違う音の高さのパートを分担する。


①ソソファうソソソファファファ ②レレドうレレレドドド ③シシラうシシシラララ
(今回は、リズムと音程が合ったらOKとする。①②③を弾く音板の位置を指定しない。)

 

 学校に、4台の木琴があると、一回に12人が木琴の演奏ができる。

1クラス36人だと、3回まわすと、全員が木琴を経験できる。

 

木琴を演奏しないときは、リコーダーを吹いたり、手拍子したりする。

 

 リズム→メロディー→リコーダー→木琴 と次々に一つのリズムが変化していきます。
その変化は、楽器が変わるだけではなく、音の重なりを楽しむところまでいきます。

 

 このリズムの最後「タンタンタタンタ!!」がかっこよく決まると、

この学習の楽しさが10倍になります。

このリズムが「決まる!!」ように、児童の演奏を聞いて、どこで練習するかを判断します。


この後の学習では、前奏の10小節、楽器が次々に出てきて、音が重なっていくバージョンを練習します。

 

 ・1~10小節 木琴
 ・5~10小節 アコーディオン
 ・9~10小節 鍵盤ハーモニカ
 ・最後のソソファファソ!! 木琴・アコーディオン・鍵盤ハーモニカ・リコーダー・鉄琴

 

 自分の楽器の出番を待つ児童の顔は真剣です。ちゃんとカウントして出てきます。
どの楽器も音の動きが少ないので、リズムがきちんと取れていれば、すぐに音取りして

できるようになります。いろいろな楽器を経験するには良い教材です。

そして、何回繰り返しても楽しい曲です。


テキーラ  2回目

先生「ピアノで二回、繰り返し弾きます。おぼえよう。」
児童 黒板にはられた階名を見ながら聞く。


先生「歌ってみよう。歌うときも、二回繰り返します。」
児童「レソソファラファ・・・」ピアノに合わせて歌う。


先生「ピアノなしで歌ってみよう。」先生は拍を手や足でとる。
リズムがあまくなるところがあったら指摘して、繰り返し歌う。
児童「レソソファラファ・・・」


先生「おぼえてね。できるだけ見ないで。覚えた人は、目をつぶって。」
児童「レソソファラファ・・・」ほとんどの児童が目をつぶって歌う。


先生「すごい!覚えられたね。リコーダーでふいてみよう。準備できた人から、練習しよう。」
児童 リコーダーでメロディーを吹く。

 

先生 ピアノ伴奏を弾く。
児童 ピアノに合わせてリコーダーを吹く。

 

先生「手拍子、準備。8回、繰り返し。」黒板に『パクたんパクたた』と書いておく。
児童 ピアノの伴奏に合わせて手拍子する。


先生 サウンドシェイプをクラス半分の児童に配る。
児童 サウンドシェイプを演奏する人、リコーダーを演奏する人に分かれる。一度やったら、交替する。
先生「リズムに乗って、演奏できたね。次は、できるかな?」

 

*サウンドシェイプは、アメリカのパーカッションメーカーのレモ社が作ったハンドドラム。

楽器を手に持ってバチで音を出す。

 

先生「次は、『パク』のところで足踏み、

      『たん』は手拍子、

      『どど』は腿打ち。

      8回、繰り返し。難しいから、最初はゆっくりやるよ。」
児童 ピアノ伴奏に合わせて、足と手でリズムを刻む。


先生 少しずつ、テンポを上げてピアノ伴奏する。

          児童が上手にできるようになったら、コンガ・ボンゴを準備する。

 

         コンガ・ボンゴの演奏方法を確かめる。(皮の真中をたたかない。いい音が抜ける感じを聞かせる。)


       ボンゴ、コンガを演奏する児童に、「パク」のところで軽く足踏みするように指示する。

      そうすると、休符を体で感じて、音楽の流れにのった演奏になる。


児童 リコーダー、サウンドシェイプ、リコーダー、コンガ、ボンゴに分かれて演奏する。

 

 ここまで、スムーズに上手くいったら、鉄琴も一緒に演奏する。(リコーダーと同じメロディー)
鉄琴を始める前に、必ず、エア鉄琴で、バチの動きを確認する。

特に始めの「レ→ソ」の」動きの方向と素早さを意識させる。

 

 黒板にはった二つの言葉楽譜!?だけで、リコーダー、鉄琴、サウンドシェイプ、コンガ、ボンゴの楽器で合奏になります。
 グルービーなリズムと切れ味のいいメロディー。演奏を繰り返し、どんどん楽器が増え、何回演奏しても、飽きません。

 次回は、テキーラの合奏の楽譜をまとめた冊子を使って授業を進める。

 


テキーラ  3回目

先生「今日は、新しく使う楽器『ジャンベ』を紹介します。アフリカの太鼓です。

昔は、通信手段として使っていたこともあります。とても大きな音が出ます。」楽器を見せる。


先生「上に皮がはってあります。下にはありません。手でたたいて鳴らします。」座って構える。
先生「音を聞いてみてね。」楽器を演奏する。


先生「いい音ですねぇ~。3種類の音が出ていたのが、分かった?」
児童「う~ん・・・」「低いのと高いの・・」「とっても響くのもあった。」
先生「そう、低いのは『どん』、

      高いのは『ティリ(タタ)』、

      強く響くのが『パッ!』っておぼえてね。


肩にかけることもありますが、とても重くて小学生には無理なので、座って演奏します。

こうやって、皮の面を向こう側に倒します。足でしっかりはさんで。

はさまないと、楽器が前の床にいっちゃうからね。」

 

少し倒して、楽器の下部が床から離れないと、音が抜けないことを確かめる。

『どん』は皮の真中を手を少し広げて、
『ティリ(タタ)』は手をそろえて手前の皮の端の方を、
『パッ!』は手をゆるめて手首のスナップを利かせて音を出す。見本を見せる。
『パッ!』の強い音は出すのが難しいです。

 

先生「『テキーラ』の楽譜を出そう。ジャンベのページを開けて。」

 

児童 前回の授業で作った楽譜冊子を取りだす。


先生「前回、みんなで演奏したのはAのところです。ジャンベの音をはこうなります。」演奏する。


先生「みんなは、机をジャンベと思って、一緒にやってみて。」演奏する。

 

 この後、前回経験した、リコーダー、鉄琴、サウンドシェイプ、コンガ、ボンゴ、ジャンベに分かれて

Aの部分を合奏する。

 児童の希望を生かすか、先生がランダムに指名するかは、学級の様子を見て判断する。

 

 この合奏で、ジャンベとサウンドシェイプ、ボンゴ、コンガのリズムコンビネーションンが

うまくいったら、大太鼓とドラムのハイハットシンバルを加えます。


 マラカスの八分音符は正確に拍の流れに乗って」演奏するのは難しいので、一番最後に加える。

 打楽器がこのAの部分をマスターすると、他の部分もほぼ同じなので、あとは担当の児童が

入れ替わりしても大丈夫です。児童の担当を何回も入れ替えて、いろいろな楽器を経験させたいです。

自分の演奏している楽器と他の楽器の音の絡み方を楽しめるところまで、何回も時間が許す限り、

繰り返したいですね。

 

 ジャンベの魅力は、児童向けに、漫画雑誌「ブンブン」に書いてありました。

 

 私がジャンベを習っていたとき、先生はリズムを太鼓で鳴らし、リズム言葉で教えてくれました。
たとえば「ラドゥンカックカックカック」「ドゥティリキティティキカッティキティティキティ」のように。

 

 「音の表情を大切にしなければだめだよ。」とよく言われました。

確かに、音符で見て作るリズムとリズム言葉で作るリズムは違います。

リズム言葉の方が、音の表情を再現しやすいかなぁと思います。

 

 ですが、音の再現を 楽譜を見て 音符を見て行うことばかりやってきた私は、困ったことに、リズム言葉を音符に置き換えて理解する脳の回路が自然に動いてしまします。

 

 そして、それを先生に見抜かれ、「脳をかち割れ!」と言われます。

 

 

 子どもたちの脳は、柔軟です。リズムを聞き取る力も、音の表情を感じる力もあります。

ただ、この能力が最大になるのは、「この授業はおもしろい!」「やってみたい!」「このリズムは気分がいい」「自分にできそう。」とプラスの感情が心に満ちているときです。

 

 「テキーラ」は、このプラスの感情を生み出す力を持った曲です。