翼をください


先生「『翼をください』を教科書を見ながら聞こう。」
児童 1,2番を教科書を見ながら聞く。

先生「この曲を二つに分けると・・・」
児童「♪つけてください と ♪この大空に のところで二つに分かれる。」


先生「そうだね。前半はどんな感じ?」
児童「落ち着いた感じ。」

  「ゆったりした感じ。」

  「静かな感じ。」

  「ひそやかな感じ。」

  「語ってる感じ。」

  「なめらかな感じ。」


先生「なるほど、では、後半は?」
児童「盛り上がった。」

  「力強い感じ。」

  「広がる感じ。」

  「生き生きとした感じ。」

  「明るい感じ。」
先生「そうだね、そういう感じだね。


では、その感じを出すためにどうやって歌ったらいいか考えながら、もう一度、一番を聞こう。」
児童 1番を聞く。

児童 ピアノに合わせて、1番を歌う。
先生 児童の歌の中で、不安定な音程やリズムを確かめる。
児童 アカペラで先生と一緒に一番を歌う。

先生「前半部分、言葉を大切に歌ってみよう。一言一言ていねいに。」
児童 前半を歌う。

先生「言葉をかみしめた感じで歌えたね。

   前半の最後のクレシェンドをやってみよう。

   曲の山に向かって、だんだん強くするよ。

   こんな風に・・・♪つけてください」


   ピアノで八分音符の刻みをクレシェンドしながら歌い、

   「だんだん強く」のイメージができるようにする。
児童 前半の「つけてください」をクレシェンドに気をつけて歌う。

先生「ぐいぐいっと心が引っ張られるようなクレシェンドになったね。

   では、ここから後半部分をつなげて歌ってみよう。」
児童 ♪つけてください♪から後半を歌う。

先生「♪この大空に だけ歌ってみよう。歌うときの息のスピードをあげて!」
児童 ♪この大空に
先生「いいね、スピードが上がった。


   今度は、口の開け方にも気をつけて。牛の鳴き声『モオゥ』を言ってみて。

   顎を下げて。口を縦に。」

児童「モオゥ」「モオゥ」
先生「そうそう。モオゥ。こぉのぉおお、どうぞ!」
児童「こぉのぉおお」
先生「♪この大空に」
児童「♪この大空に」
先生「おおぅ!声の響きが変わった!よく響いている!」

先生「みんなが小さいとき、スーパーに行って、

  「これ欲しい」「これがいい」からだんだん「これがいいよー」「これが欲しいよー」って

  「欲しい、欲しい」と駄々こねて、せがんだりしなかった?
   この歌でも、一か所、強く願っているのが分かるところがあるね。」
児童「飛んでゆきたいよ、のところ。」
先生「そう、そこだね。『よ』の一文字で強く願う気持ちが伝わるね。後半を通して歌おう。」

 心が解き放たれて、自由や明るい未来を感じられたら、ハッピーですね。自分の心を堅く縛って、息苦しくしているものってなんでしょう?


 「お金が山ほどなきゃ幸せじゃない」「自分の家が持ち家じゃなくちゃ幸せじゃない」「家は100坪以上なくちゃ幸せじゃない」「自分は周りからスゴイ人だと思われなくちゃ幸せじゃない」「偉くなって先生と呼ばれなくちゃ幸せじゃない」そんなこと誰が決めたのかしら?誰も言っていませんね(笑)
 
 「幸せは自分が決める」と思ったら、心は解き放たれるでしょうか?
「翼」はそう強く思える心なんでしょうか?

 それとも、失くしたもの、この手にできなかったもの、一番欲しいと願ったのに得られなかったものへの執着心がなくなったら、心は軽くなるのでしょうか?
「翼」は過去への執着心から離れる、「今を生きるぞ!」と思う強い心なんでしょうか?

 この「翼をください」を歌う度、いろいろなことを考えます・・・